障害年金の納付要件
1 障害年金の納付要件
障害年金の申請をして認定を受けるためには、初診日の要件、障害状態に該当する要件、保険料の納付要件という要件が必要になります。
特に、初診日の前日において一定の期間年金の保険料を納付していなければ(納付要件)、どれだけ症状が重くても障害年金は認められないため、非常に重要です。
では、障害年金の納付要件について、どのような注意が必要になるのでしょうか。
2 納付要件の注意点
障害年金の納付要件は、初診日の前日を基準としています。
初診日の前日において、初診日のある月の前々月までの期間において、3分の2以上保険料を納付または免除されていること、または、初診日において65歳未満であり、初診日の前日において、初診日のある月の前々月までの一年間に保険料の未納がないことが必要になります。
国民年金保険料の免除期間や納付猶予、学生納付特例の承認期間も保険料を納めていた期間として納付期間に含まれますので、実際に保険料を支払っていなくても、きちんと申請をしていれば納付期間として認められます。
しかし、納付要件は初診日の前日の時点の納付状態で判断されますので、初診日の後に遡って納付している場合は納付期間に含まれません。
例えば、年金の切り替えがうまくできていなかったり、年金の免除や納付猶予の申請が遅れていたりして、初診日の前日までに手続きが完了できていないときには、後から申請して遡って認められていたとしても納付期間に含まれず、納付要件を満たさない場合もあります。
手続きを怠っていると、遅れて手続きをしても納付期間として認められないことがあるため、免除や納付猶予の手続きは放置せずに適切な時期に行っておく必要があります。
また、納付要件の確認は、年金事務所などからきちんと納付記録を取り寄せて、初診日の前日の納付状態がどのようになっていたのかを正確な情報をもとにチェックをする必要があります。
3 納付要件の例外
障害年金には納付要件がありますが、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件は不要です。
国民年金への加入義務があるのは20歳以上の60歳未満の方ですので、20歳未満の方はそもそも保険料を納める必要がありません。
そこで、初診日が20歳未満である場合には、納付要件を満たす必要はありません。